水彩画家 東富有『月光』を水彩画で描く
「静謐な夜、月の優しい光が差し、蓮が柔らかく光輝いた。蕾から蓮の花、蓮の実へと時の流れを、一枚の作品におさめている。東富有先生曰く、家族愛を表現したという。両親と子供、そして祖父母の各々が共に寄り合いながら、中央へと咲き、さらに月の光に照らされ、より一層余韻を感じさせる。昼間の蓮と雰囲気が異なり、月夜の蓮も風情があり、心からすっと落ち着く情景である。」
今まで私は幾度か月の光の表現に試行錯誤し、描いてきましたが、月の光の感じを出すのは非常に難しいと思っていました。なぜなら、月の光は光自体が冷たい色にも関わらず、光の優しさを出さなければ、蛍光灯のような光になってしまうからです。
そして今回東富有先生の「月光」の作品を見たとき、月の光の表現に対しての描き方が整理できたような気がしました。
月の光を表現する上で、大事なのは周りのモチーフの協力です。背景を青の色調で表現し、蓮の葉やほのかに見える蓮を描くことで、月の光が当たっていると伝えています。もし背景がただ暗かったなら、月の光の雰囲気は感じないでしょう。
また暗部や影を暖色系で、そして花の芯の黄色の反射を描きこむことで、冷たくも優しい月の光を表現しているのです。
私はこの作品に感化され、また月の光に挑戦したい気持ちになりました。
『月光』F8号 作品/東富有 文/東有達
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水彩画家 東富有(父)を師匠とし、兄妹3人(東有達、東俊達、東達美)は小さい頃から絵を描き、新潟や佐渡の風景を中心に制作をし、2016年から新潟三越で親子展を開催、全国各地のギャラリーや海外の展示会で作品を発表しています。
水彩画家 AZUMAs