水彩画家 東富有 水彩画で桜を描く

水彩画家東富有 水彩画で桜を描く

水彩画家 東富有 水彩画で桜を描く

水彩画家 東富有 水彩画で桜を描く

新潟県佐渡市の加茂湖をテーマとした桜風景。雄大な金北山、エメラルドブルーの湖を背景に、大きな白色の桜と桃色の桜が咲き誇っている様子が印象的な作品である。画面に打たれた点の動きが、花をつける桜の生命力を表現している。以下の制作過程を拝見し、このような桜の描き方があったのかと驚かされた一枚である。

水彩画 家東富有 水彩画で桜を描く

枝から描くことに驚かされる。画面には鉛筆で当たりを取ったところは見られず、直接筆を走らせたことがわかる。また枝を描くときは、下の幹が太く、上に伸びていくにつれて細くなる自然の原理を守って表現している。そして所々に見えるかすれの技法が、より枝らしさを出している。

水彩画 家東富有 水彩画で桜を描く

桜の暗部を点で表現する。このとき、幹の後ろ部分に暗部がくる。注意したいのが、桜の明部をしっかり残しながら描くということである。

水彩画家 東富有 水彩画で桜を描く

そして、桜の輪郭を残すように桃色の桜や左下の道を描いていく。

水彩画家 東富有 水彩画で桜を描く

同じようにエメラルドブルーの湖を描きながら、桜の形をとる。湖の水平線は紙の半分に来ないように注意したい。

水彩画家 東富有 水彩画で桜を描く

金北山についても湿画法を使って、桜の輪郭を残しながら、描き進めていく。

桜は淡く、柔らかい上に、存在感があるので、水彩画で表現するのは特に難しい。私も今まで幾度も桜に挑戦してきたが、ふんわりかつ存在感がある桜に苦戦してきた。今回の制作過程を通じて、父のデッサン力、色彩力、表現力の高さを改めて実感するとともに、さらなる向上を目指したいと思った。

(『清麗』10号 作品:東富有 / 文:東有達)

この作品は日本国際水彩画会主催の第21回国際水彩画交流展のポスターに使用されました。展覧会についてはこちらのリンクよりご確認ください。

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