水彩画家 東富有 『帰り道』を水彩画で描く
夕暮れの住宅地を描いたこの作品から、様々な感情を受け取るであろう。故郷の実家を思い出し、通った家路に哀愁を感じるのか、はたまた帰る家があり、自分の帰りを待つ人がいるという幸せを感じるのか。作品から受けとる感情は、人それぞれのストーリーによって変わる。絵画にはそのような力があり、価値があると思う。
皆さんはこの作品からどう感じ取っただろうか。
建物や道路を明部は暖色系、暗部は寒色系の色で辺りを取る。東富有先生は鉛筆で下書きをせず、直接色をのせていくため、白残しをする際に、鉛筆の線が見えない。これは作品の完成度を上げると同時に、間違えることのできない緊張感のある中での制作で、作品に臨場感を与える。
落ち着いた暖色系のオレンジ色が住宅に当たり、夕暮れの光だと気づかせる。影になるところは、西洋の色相理論に基づき、冷たさを感じる寒色系の灰色や紫色で描いている。
筆の動く方向が、対象物の形や流れを表現する様に、道路や電柱、看板、建物の特徴を捉える。特に電線が手前から奥へと伸びていくたるみを、かすれを使って表現しているところに画家の熟練した実力が垣間見える。
(『帰り道』色紙サイズ 作品:東富有 / 文章:東有達)
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水彩画家 東富有(父)を師匠とし、子供たち兄妹三人(東有達、東俊達、東達美)は小さい頃から絵を描き、新潟や佐渡の風景を中心に制作をし、2016年から本格的に親子展を新潟三越や全国各地のギャラリーや展示会で作品を発表しています。
水彩画家 AZUMAs