水彩画家 東有達 冬の光を描く
「冬は気温が低い分、空気が透き通っていて、日の光がはっきりと感じると聞いたことがある。それは目に伝わる光の強さとは別に、太陽の温度を肌でより感じるからではないかと考える。冬の光のエネルギーが寒くなった私たちの心を温めてくれるような情景にしたいと思った。」
日の光の滲んだ雰囲気、流れるような雲を表現するには“湿画法”が効果的であるが、一発勝負なため、失敗しやすい。一番緊張感がある瞬間である。
幹や地面の影も湿画法である。画面で混色するため、描く前にどの色を混ぜるのかを考えておきたい。そして大事なポイントとして、光源の表現である。光源に近いところは明度・彩度と共に高く、明暗部の寒暖色の差も大きく、はっきりとしている。(例外として光源に一番近いところはぼやける。)また遠くに行くにつれて、明度・彩度ととに低くなり、明暗部の寒暖色の差も少なくなる。
そのため幹や雪の窪みは光源から離れていくことで、青くなるよう描写している。
(『冬の光』6号 作品:東有達 / 文:東有達)
YouTubeでも描き方を紹介しているのでぜひ参考にしてください。